皆さん塩っ気の多い食べ物は好きですか?筆者は大好きです! 食品成分表にも塩分量の記載はされていますが、計算するとあっという間に一日の摂取量を超えるのが分かりますね。みんな大好きお塩といったところでしょうか。
さて、皆さんが塩分大好きなのはきちんと理由があるんです。
理由①コメが栄養豊富だから
ナトリウムは人間に必要なミネラルですが、原始人類は狩猟して手に入れた動物からナトリウムを摂取していました。このころは塩分摂取に関しては問題はありませんでした。ですが農耕をする時代がやってきて事情が変わります。
小麦を生産する地域では動物の肉や卵などのたんぱく質の豊富な副食が必要になりました。小麦は人間にとってたんぱく質や必須アミノ酸が足りなかったのです。畜産を行って動物由来の食品を食べていれば、ナトリウムの摂取にはさほど困らなかったでしょう。
一方コメを生産する地域ではまた様子が違います。コメは栄養豊富であるため多くの副食は必要ありませんでした。大豆や野菜などが手に入れば、足りないたんぱく質を補うことはできました。ですがこれではナトリウムが不足します。そしてナトリウムの多い副食を食べる必要に迫られました。
理由②うま味を強めるから
日本を含むアジア諸国ではアミノ酸の「うま味」を非常に好みますが、これはたんぱく質をより多く摂取する必要があったためであると考えられます。コメと大豆のみでは補いきれない状況も多かったでしょう。アミノ酸類にうま味を感じるのは、これがたんぱく質の材料になるからなのです。
さらに、「うま味」には塩味と密接な関係にあり、塩味が濃いほど「うま味」も強く感じるようになっているようです。実はナトリウムは人間の味覚のレセプターを敏感にする働きがあり、他の味覚自体も濃厚に感じるようになっているとのことです。つまりは食べ物が「おいしく感じる」ということですね。スイカに塩をかけると甘みが増すことなどが該当します。
さらに最近発見された「脂肪味」についてはナトリウムで敏感に感じないということだそうです。小麦主体の地域では脂肪の多い食文化ゆえにナトリウムの摂取量は少なく済み、コメ主体の地域のうま味の多い食文化ではナトリウム摂取が多くなりやすいという背景もありそうですね。
結論としては①コメが栄養豊富だったから、②うま味を強めるからの二点の理由が考えられます。
美味しいものは美味しいんです!でもこんな理由はあっても、塩分の取り過ぎで健康を損なってしまう食生活は避けたいものですね。それではお気をつけて!
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